逆流性食道炎(胃食道逆流症)とは?
逆流性食道炎は、強い酸性の胃液や、胃で消化される途中の食物が食道に逆流して、
そこにとどまるために、食道が炎症を起こし、びらん(粘膜がただれること)や
潰瘍(粘膜や組織の一部がなくなること)を生じる病気です。
このため胸やけ、ノドの違和感(イガイガ)、ゲップ、胃が重苦しい、
おなかが張るなどさまざまな症状が生じます。
逆流性食道炎は、もともと日本人には少ない病気でしたが、食生活の変化などによって、
最近、患者さんが増えています。
なお胃液の逆流があり、胸やけなどの症状があってもびらんや潰瘍がないものは
「非びらん性胃食道逆流症」と呼ばれます。
健康な状態では、食道が胃液で傷つかないように、
胃液が食道に逆流しない仕組みが働いています。その主役は下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)です。
下部食道括約筋は、食道と胃のつなぎ目(噴門部)にある筋肉で、
食べた物を飲み込む時には、ゆるんで食道から胃に食べ物が落ちるようにし、
それ以外の時は、食道をしめて、胃の内容物が逆流しないようにしています。
これに加えて、食道のぜん動運動(消化管が筋肉の収縮により口から食べたものを肛門側へ運搬していく運動のこと)
によって、胃の内容物が逆流してしまっても、すばやく胃へ戻したり、
唾液を飲み込むことによって食道に入った胃液を薄めて流すことで、
食道が胃液や胃の内容物で傷つかないようにしています。
逆流性食道炎は、下部食道括約筋など食道を逆流から守る仕組みが弱まるか、
胃酸が増えすぎることで、胃液や胃の内容物が逆流し、それが食道の中にしばらくとどまるために起こります。
投稿日:2011年4月5日